リールフットの外注加工について

フライリールを2つばかり試作できたので、次のステップとして全てのパーツを図面に起こして、
適当な工場に金属加工の外注見積もりを取ってみました。

複雑な形状とパーツ数の多さなどもあり、高額な見積もりを予想していましたが、実際はそれを上回る価格に...(-_-;)
しかも一つのパーツは加工不可という回答がありました。

それが、リールフット。
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確かに加工方法に迷う形かもしれませんが、加工のプロに匙を投げられるとは、ショックです。

あきらめるわけにはいかないので、加工不可の理由を色々と聞いて問題点を洗い出し、私が試作機を作成した方法を説明することで、何とか見積もりをもらうことができました。

リール作家の諸先輩方を参考にしてたどり着いた、私のリールフットの切削方法を以下にメモします。

使用するワーク(被切削材)を予め縦60mm、横13mm、高さ7~10mmほどにカットし、中心とその脇に穴をあけておきます。
中心の穴は後述するジグに固定するためのもので、脇の穴2点はピラーに固定するためのものです。
材質はアルミ合金もしくは真鍮、ニッケルシルバー等お好みで。

まずは、リールフットの下面、リールシートに固定する部分のRの切削方法から。旋盤とエンドミルを使います。

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このRは一般的にはφ18なので、旋盤の主軸にφ18のエンドミルを咥えて、
リールフットの縦60mm、横13mmに切削したワークを刃物台に固定します、
この時、ワークの高さの中心とエンドミルの中心を完全に一致させます、
また、エンドミルとワークを平行にすることも怠らないでください。

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ワークの固定が済んだら、主軸を低速で回転させ、エンドミルの先端の刃にワークの左端を当てスライドさせつつ
少ずつ削ります。私の非力な卓上旋盤ですと一回の切削は0.5~1mm位が限界でした。
次に、リールフットの上面にあたるRの切削方法。
リールシートと同じ太さφ18の真鍮棒をジグとして利用します。
ジグには予めリールフットを固定するためのボルトを通す穴をあけておきます、
穴の太さはお好みで大丈夫です。ちなみに私はM5用で開けましたが、リールフットの軽量化を考えるともう少し太い穴が良かった気がしています。

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ジグにワークをボルトで固定したら、ジグを主軸に咥え横送り台を7度に傾けます。
この状態で横送り台のハンドルを回すと7度にテーパードした切削が出来ます。

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片方が切削できたらジグを主軸から外し、左右を入れ替えて切削して完了。
ちなみにジグの表裏に2つのワークを固定すると一遍に2つのリールフットを完成させることが出来るのでお得です。