20150906源流野営釣行

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今年の初秋はもういつから好天と出会っていないのか忘れるくらい雨降りが続いていますが、渓歩き師匠筋のSさんから久しぶりのお誘いを受けたので、私にとって初めての渓に同行させてもらいました。
昨年大病を患ったと聞いていたSさんとは二年ぶりの再会です、復活した今年は一昨年にもまして渓に入っているというのだから恐るべきアラ還と言うほかありません。
今回Sさんは日帰り、私は渓泊の予定です。

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天気予報で今日は晴れるはずなのですが朝まで霧雨混じりで、泥濘の廃林道はところどころ身の丈ほどの笹藪におおわれていて全身濡れながら目的の渓を目指すことになりました。
Sさんはルートファインディングの達人、鹿道を繋いで独自に開拓したルートを驚異的な記憶力で辿ります。
ランドマークとなる対象があまりない渓において、景色の細部の違いを的確に記憶出来ることは特異な才能だと思います。Sさんはそんな才能をもった人です。

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Sさんのルートでテン場予定の支流出会に着くと私はバックパックを下しサブバックに釣り道具と昼食を詰めてSさんと一緒に釣り上がります。
ところが今日は不思議なほどイワナの活性が低いとSさん。
私の竿にも当たりが少なく、ようやくかなりの大物を掛けることが出来たと思ったら取り込み途中で逃げられる始末。
最初の一尾を手にしたのは開始三時間も過ぎ核心部に差し掛かった時でした。
その後は早めの昼食を挟んでポツポツと連れ続けましたが、期待したほどの釣果が無かったのは残念でした。

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2つの支流を探ってSさんとはお別れ、ひとりテン場にもどって野営の準備です。
今回は単独なので大きな焚火はせず、開発中のRSR ネイチャーストーブを使って焚火をしたいと思っています。
ところが雨続きの渓に乾いた枝は落ちておらずネイチャーストーブを使っても煮炊きには苦労をしました、着火こそ一発でしたが湿った枝は勢い良く燃えるまで時間がかかり、せっかく燃えだしたと思っても上から湿った枝を重ねることになるのでまた火力が落ちてしまうのです。しかし一旦火力が落ちても慌てて風を送りこんだりせずに放って置くと火床に熱がこもり出し再び燃え上がります。

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飯を炊き岩魚ソテーをオカズで食べてビールとウイスキーを少し飲んだら一気に眠気が襲ってきたのでビビィに潜り込みました。
夜半は再び雨の予報だったのでそれなりに覚悟をしていたのですが幸いのことに降雨はなかったようで農ポリタープも濡れていません。
テン場の標高は1500m、朝の気温は12℃でしたが薄手のダウンシュラフを持って来ていたので寒がりの私でも快適でした。

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RSRストーブで湯沸しをしてコーヒーを2杯飲みながら朝食を摂りテン場の片づけ、単独で荷物も少ないので簡単なものです。

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天気は明らかに下り坂、午後には降雨必至の状況なので今日はテン場の周辺を釣って後は廃林道まで続く支流を遡行しながら竿を出してみるつもりです。
結果、出ることは出ましたが小物ばかりでしたね。

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支流に掛かる橋から廃林道を辿れば車止めに着くのは前日Sさんに確認済みです、ただし前日の入渓で使っていないルートを辿ることになるので若干の不安もありました。でもまぁGPS(iPhoneアプリ)もあるので大丈夫だろと思っていたら不安が的中、ルートを見失い鹿道に導かれ藪に突入してしまいました。この廃林道は現行の地形図に掲載されていないので現在地は判るもののどちらの方向に先の廃林道があるのかが判りません。藪を直進し少し開けた尾根に出て周りを見渡し、いったん尾根を巻く感じで高度を保って進み始めましたがやはり何か違和感を感じます、現在地と川との高度差がありすぎるのではないか?と思い尾根を下りてみました。判断を間違った場合の登り返しは面倒だけれど時間も体力も余裕があるので大丈夫。
その後予想通り眼下に廃林道を発見しましたが最後の10mほどが急勾配の土壁になっていて手がかりもなく下りられません。仕方が無いので補助ロープとスリングの簡易ハーネスを使って懸垂下降しました。
その後は踏み跡もしっかりしていて緩やかな下りが続いたので車止めまで割と短時間で辿りつくことが出来たのです。

さぁ温泉入って帰ろう。

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おさらい。
Sさん所有の昭和47発行地形図には件の林道が記載されており、それによると私のルートミスが判りました。道を見失ったところで林道は大きくターンし高度を落としています。地図上ではルートを見失った距離は僅かですがそれが見渡しが効かない藪の中だったりすると案外時間と体力を消費して焦ったりするものです。今回は大きくルートを外す恐れのない場所だと判っていたので半ば強引に直進してショートカット出来るだろうと踏んだのですが、本来ならばロストした場所に戻り落ち着いて周りを見渡して本来のルートを見つけるべきなんでしょうね。

47地形図